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【マーケティング・リサーチ】
リサーチは「手段」であって、「目的」ではない。
リサーチは「仮説」を「検証」するための手段である。リサーチから何かが見えてくると考えるのは大間違い。
リサーチを使う目的は大きく2種類ある。1つは「仮説検証」。もう1つは「トレンドの把握」。
トレンドを読み、未来を予測する。これがマーケティング分析における基礎調査。
このリサーチはトラッキング調査(同じ評価指標=質問項目を定期的に追跡する)と呼ばれる。
何でもって評価をするか。その指針となる見方。これが「評価指標」。
評価指標は人間にもある。健康診断の検査項目。これは健康を測る評価指標。
何で健康とするのか。その定義は?
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【リサーチ設計】
最も重要なことは「目的」を明らかにすること。これしかない。
その「目的」は何でもって明らかになるのか?
明らかにすべきことをブレイクダウンする。
明らかにすべきことを知るためには、どういう質問が必要か?ここでやっと質問が生まれる。
質問からリサーチを設計するのは小学生のサッカーと同じ。球を追いかけているだけ。違う。目的から考えろ。
明らかにすべきこと、と質問項目は必ずしも一対一対応ではない。
目的が大分類だとすれば、明らかにすべき項目は中分類、質問項目は小分類のイメージで。
要するに、目的から質問までをブレイクダウンしていくイメージとマネージが仕事なのだということ。
リサーチの種類は大きく2種類。定性調査と定量調査。定性調査は心理の深堀が目的。定量は統計的な有意性に基づく、アンケート調査。通常、定量調査における誤差のない有意性のあるサンプル数は2000サンプルと言われる。
定性調査=グループ・インタビュー/デプス・インタビュー/日記調査/エスノメソドロジーetc
定量調査=訪問面接/CLT(セントラル・ロケーション・テスト)/街頭インタビュー調査/インターネット調査etc
どういうふうにサンプルを抽出しているのか?バイアスがかかっているのか、ランダムサンプリングか?
どういう範囲で調査をしているか?これを調査における「ユニバース」という。あらゆる所にユニバースがある。対象エリアのユニバースは何か?調査対象者のユニバースは何か?調査アイテムのユニバースは何か?洋画がユニバースか?邦画だけか?映画全部がユニバースか?映像コンテンツか?それで調査分析の基準が変わってくる。
情報は「拡散」と「収束」のプロセスを経るのが良い。定性は拡散=仮説出し。定量は収束=仮説検証。したがって、定性調査で可能性の漏れを無くし、定量調査で確証する形が基本。
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【分析の視点】
分母と分子の関係・・・作品が分子だとしてら、分母は何か?アクション邦画?邦画全体?洋画も含むのか?
絶対評価と相対評価・・・何でもって高い低いと判断するのか?当該ブランド単体で見ることを絶対評価といい、ベンチマークと比較して評価することを相対評価という。
5つの評価視点・・・?リサイクリング(対前年比)?コントロール(ベンチマークとの相対比較)
?プリポスト(施策の前・中・後で比較)?対競合シェア?費用対効果
シェアとボリューム・・・シェアとボリュームは常に両方見ることが大切。(カテゴリーが10の規模しかないシェア80%と100の規模の10%、市場規模はどっちが大きいか?)