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【1】民際学の眼(まなこ)
○構え=ある現実に対して批判するのではなく、何かを対置するというやり方。
この構えは、何かを正面から批判するよりずっと深いところからの批判になるんです。
出典:『オルタ』(2004年8月・9月号)P32
○無知を悟った時に反省する謙虚さ。
○日本国家のあり方を批判するわけじゃなくて、国家という枠の中でしかものを
考えられない社会を批判する。(前掲P35)
○一般化しない。一般化という過程そのものに、近代化や国家にとらわれた偏向や狭さ
が忍び込んでいることに気づいたから(前掲P35)
○国の内側だけにとどまらないし、外からも規定されない、いつも変幻自在なのが
本当の市民だと僕(吉岡忍)は思う。(前掲P36)
■会社から規定されない、いつも変幻自在。それがマルチ・キャリア。
○「私は、民間学固有の方法など無いと思う。(中略)それは思想や知的運動の
態度であって、方法の問題ではない。」
出典:『鶴見良行著作集7』(P387)
【2】民際学の究技
○現場でメモを取るというよりも、頭の中に入れたものを整理して書く。
出典:『オルタ』(2004年8月・9月号)P35
○通常のアジア研究っていうのは、「この道を何トンの胡椒が行きました」と
いうふうに「客観的」に記述するのがよしとされるでしょう。でも鶴見さんは
そこに「わたし」を登場させることで、調べ、理解していく思考のプロセスを
作品に入れる。なぜそれが大事かというと、読者が「お前、やっぱり間違って
いるよ。ここでこういう判断をしたからだよ」ってプロセスを指摘できるんで
すよ。結論だけ書いても読者には開かれないんだよね。(前掲P36)
■これはリバース・エンジニアリング的な手法と言えそうだ。
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