キーノート:熱中・覚悟・気骨

シンク&アクト 学生講演要旨 (09年10月17日:キャンパスプラザ京都


【1】熱中するものを探し続けろ。


○Study(スタディ)の語源であるStudios(ステゥディオス)は、
 本来、「熱中する」という意味だった。日本におけるスタディ
 ゆがめられて解釈されているように思う。勉強=義務の構造。これはいけない。
 研究とは熱中して、我を忘れて取り組むことなのだ。
 本来的なスタディの在り様を取り戻すにはどうしたらいいのだろう。


【2】覚悟を持つこと


○漫画『ワンピース』を読んでいくと、一貫しているのは主人公ルフィの
 「覚悟」に他ならない。

ルフィ「手が震えてるぞ。中途半端な覚悟で海賊を相手にしようとするからそうなるんだ」
ナミ 「・・・覚悟って何よ。人を簡単に殺して見せることがそうなの?それが海賊の覚悟?」
ルフィ「違う。自分の命を懸ける覚悟だ!!」
 
 『ONE PIECE』第2巻(第10話“酒場の一件”)より


○ぼくらの心が揺さぶられるのは、その覚悟を受け取った時に起こる、ある種の感動である。


○そういえば、ドラえもんの最終回が記憶になく、気になってYouTubeで検索した。
 そこには藤子先生の作品ではなく、ドラえもんを研究した現代の若者が同人誌で
 ドラえもんの最終回を想像し、作り出した感動作があった。著作権上の問題は
 あるけれども、この作品は素晴らしかった。


○話はこう。ドラえもんの電池が切れて、動かなくなる。未来の工場へ行き、
 電池を交換すればよいのだが、そうするとドラえもんのび太と過ごした
 記憶が失われてしまう設定になっている。


のび太ドラえもんとの思い出を動かないドラえもんに語り、号泣し、
 そして「覚悟」する。「ぼくが・・・(君を直してあげる)」。


○それからのび太は猛勉強し、ロボット工学者となり、ドラえもんをつくる。
 実はドラえもんをつくったのは「のび太」だったのだ。


【3】天才性を支えるのは気骨であること


○天才性における資質は、これまで閃きだと思われていた節が強い。しかし、
 もう一つ重要なのはグリット(気骨さ)だと言われている。


○天才とは「99%の努力と1%のひらめきである」とトーマス・エジソン
 言った。重要なのは99%の努力を怠らず、継続する気骨さ。グリットだと
 いうこと。


【4】メッセージとして


○あきらめるな。熱中するものに全てを捧げる。その覚悟はあるのか。


○もし、この3つが明確ならば、たぶん、意味の在る人生を遅れるんじゃないかな。


○学生たちよ、一生かけて3つを意識する。そして自分のペースで「行動する」ことが大事。


○迷ったら、メールしておいで! 


 原尻淳一 拝