知性の磨きかた (PHP新書)

知性の磨きかた (PHP新書)

読書の幸福(P100〜P173)

○読書っていうのは、そういうときに、ここにカッコをつけて
強調したいんだけど、「その人にとっての意味」があると思う
んですね。(P105)

○どんなものであれ、そのひとにとってモティベーションがある
のであれば、その本の存在価値はある。(P107)

○内的動機なき読書を押しつけるということはね、こういう
鼻持ちならない人間を育てる可能性すら内包しているといわざる
を得ません。(P111)

○だから、私は、内的動機のないところに、課題図書だの読書
感想文だのというような制度的な形で、やみくもに本を与える
ということは、そういう危険をはらんでいるということを警告
したいんです。無理に与えなければね、そういうつならなかっ
たなとかいうような先入主をもたせる機会もあり得ないわけだ
から、何か内的な動機が湧き上がってきたときにね、自分が求
める本を自分で本棚から掴み出す。そのときを待つべきなんで
す。
(P114)


■内的動機を何で作るか、それは「座右の書」に出会うことな
のではないか。


○ダニエル・ペナック『奔放な読書』=「読者の権利十カ条」

第一条:読まない権利
第二条:飛ばし読みする権利
第三条:最後まで読まない権利
第四条:読み返す権利
第五条:手当たり次第なんでも読む権利
第六条:ボヴァリズム(小説に書いてあることに染まりやすい病気)
第七条:どこで読んでもいい権利
第八条:あちこち拾い読みする権利
第九条:声を出して読む権利
第十条:黙っている権利


■とにかく、読書=敷居の高い、面倒くさいものという意識を
払拭してくれる、初級読書にはもってこいの文章。