死とアウトプット
布施英利さんと茂木健一郎さんの対談をipodで聴いてて、
死を前にしたとき、はじめて人生が輝いてくることを改めて
考える。
死を前にしたアウトプットは、確かに時間概念を超越する
感覚を覚える。きのうの、あるアーティストの楽曲は、
確かに聴いている最中、時間を忘れてしまうものだ。
布施さんの定義によれば、真の芸術は死を見つめている。
なるほどな、と思う。
たとえば、青春期のピカピカしたものが、あのときのまま記憶に
とどまっているのは「人生の宝物」であり、それはもう二度と
戻らないことの代償なのだろうか。
二度と会えないものは、たくさんある。
それは死に近い。だからこそ、大切なものの死(別れ)は、
強烈なインスピレーションや深い記憶が代償として与えてくれる。
さよならだけが人生だ、という井伏鱒二はこのことを言っていたのだろう。
その死を想い、自分の生にフィードバックしていくことが、
課題なのだとすれば、ぼくは何に向かい、何を吐き出せば
いいのだろう。