青山二郎の眼
○青山二郎の「利休」評。
眼の哲学・利休伝ノート (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
- 作者: 青山二郎,森孝一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/03/04
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 12回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
利休は誰にも理解されなかったというのが、青山の基本的な視点である。また、利休の根本思想には茶道も礼儀もなく、その“なさかげん”が茶碗に残ったというふうに見た。鑑定を強いられ、それに我慢がならなくなったという見方もする。
まさに青山らしい。最もおもしろいのは利休をトルストイに見立てたところである。どうも青山にはカトリシズムに対する共感があるようなのだが、一方で高潔なアナキズムにも共感をもっていたようだ。きっとそういうところが出たのであろう。
松岡正剛の千夜千冊より:青山二郎『眼の哲学・利休伝ノート』より