ある記憶が脳の中でずっと止まっているのは、
強烈な死、あるいは分断、別れか、
とにかくこれまでの関係性がぶった切られることによる
感情の刻印なのか。
懺悔にせよ、復讐にせよ、それは叫びとなって
強烈に脳の記憶にとどめられるとすれば、
背後には死があり、別れがあるのか。
たまに祖母の葬式やいくつかの別れを想う。
そのたびに生きなければと思う。
川端康成の「末期の眼」は、死を想う時、生が輝く
と説く。
僕の中の強烈な記憶は止まっているあのときの時間。
それを想い、強く生きる。
メメント・モリ。
自分のなかの死は身近であり、別れは甘美である。