何でも見てやろう

何でも見てやろう (講談社文庫)

何でも見てやろう (講談社文庫)

小田実さんには数回お会いしたことがある。

ライオンのような大きな怖いおじさんだ。

渋谷の書店で藤原書店が出している「環」を
たまたま見かけたら、小田さんの追悼特集と
なっていた。

僕はなにかと、この人には関係が深い。

僕が敬愛する鶴見良行さんは小田さんとは
「べ兵連」でつながっていたし、河合塾
お世話になった古藤晃さんは小田さんのお弟子
さんのような方だった。

その小田さんの追悼特集なのである。

一時間ほど立ちっぱなしで読んだ。
うーん、読めば読むほど、スケールのでかい人だ。

途中でふと、小田実を読むなら『何でも見てやろう』
を読まないと、とその昔言われたことがあった。
それをやっていないことに気づき、すぐに書店の検索
システムで探して購入。

帰りの電車の中でも小田ワールドに熱中した。

そこには、無謀で、大きいものに触れることが大好きな
ユーモア溢れる若者がいる。読むだけで、元気になれる。
そういう本だった。なぜ、大学生の時に読まなかったの
だろう。いま、こういうポジティブな無謀をやれる器の
大きさが正直うらやましい。

いやな大人になっているのかもしれないな。

くやしいぜ。